キスキス、バンバン(シェーン・ブラック)

 セリフが小気味いい(セリフがよく書けてる映画って、それだけで「もつ」気がします)。ストーリーもツイストがあって気が利いている。脚本家出身の監督らしくディテールへの気配りも怠りないのが嬉しい。力コブの入った「名作」!!ではないけれど佳品と呼ぶに相応しいクライム・コメディでした。(『キス☆キス☆バン☆バン』とタイトルが紛らわしいけれど、あちらも渋いキャスト(故クリス・ペンとか)と力みのないストーリー・テリングの快作だったですね。)
 だいたいロバート・ダウニーJr.とヴァル・キルマーを主人公にキャスティングするという発想がすごい。というか、あんなに面倒くさそうな人たちをわざわざ選んで大丈夫だったんやろか・・・とこちらがいらぬ心配をしてしまうほど。さすがに芸達者ではありました。
 実はそんなことはどうでもよくて、俺のドラゴンフライが!ってところが一番の注目だったのです。個人的には。『CQ』以来、メジャー作品ではとんと見かけなかったのでモデルに専念することにしたのかな、と残念に思ってたら何とクレジットにアンジェラ・リンドヴァル!! どういう役どころなんだろうとワクワクしてたんですけど、ほとんどカメオ出演やん・・・懲りずにもっと映画に出てほしいっス。
 作品そのものはパルプ・フィクション(小説ジャンルの方)へのオマージュってことなんですかね。次回作への色気も感じさせる結末だったけど、ぜひ作ってほしいような中途半端な続編は見たくないような複雑な気持ちになりました。
☆☆☆☆1/2