カジノ・ロワイヤル(マーティン・キャンベル)

 「恋の面影」でおなじみの、俺の知ってる『カジノ・ロワイヤル』とは一ミリもかぶってなかった。同じ原作のどの要素を抽出すればこんなにも違うものが仕上がるのか?だいたいウディ・アレンが出てないし。
 というまじめな話はともかく、ちょっとテンションの時間配分を誤ってた印象あり。頭脳戦という感じでもなかったしなぁ・・・カードの駆け引き描写をもっと練っていればシリーズ中の異色作として輝く作品になる可能性もあっただけに残念。(結局、手に回ってくるカードがよかっただけにしか見えないんだもん。)その一方で、ダニエル・クレイグ演じるボンド自体はワイルドでいい感じ。この人でまた見てみたいと思わせる魅力がありました。
 ところで直接作品に関係はないけれど、いくらコロンビア映画とはいえプロダクト・プレースメント(作品内広告物露出)が露骨すぎて萎えた。PCはVAIO、携帯はソニエリ、デジカメはサイバーショットって・・・あんまりガツガツしていると、消費者から逆に足元みられますよ。
☆☆☆1/2