マイアミ・バイス(マイケル・マン)

 「稼いでます」と見せかける必要経費とはいえ、いったい身の回りに幾ら掛けてんだ!!というところが共通しているだけで本家TV版とは関係ない話になっております。中学時代が懐かしい・・・
 ところでやっぱり、麻薬組織の幹部であるヒロイン(コン・リー)と主人公の恋愛が唐突すぎる。「潜入」の過程で情が移った、みたいな話なら分かるんだけど一目惚れだし、傍から観てると身を投げ打ってまで助けたくなるような深みのある関係ではない感じ。例えば短い期間の話であっても、『フェイス・オフ』の主人公(ニコラス・ケイジ)とジーナ・ガーションの感情の交流に説得力があったことを考えると、やはり描写に工夫が足りなかったのではなかろうか。
 一方、素敵シーン。人質をとった犯人が「俺を撃ったらこいつも死ぬぜ」と脅しにかかるところを、女刑事が「この銃弾の射出速度は秒速○○m、ボタンを押す間もなくあなたの脳髄を打ち抜くわ」みたいに説明しながらその通りに射殺する。まあベタといったらベタな演出なんだけど(北斗の拳みたい)、「ベタなものの強さ」を感じさせられました。
☆☆1/2