例によって「マッシブ」あたりのモブシーン・エンジンを利用した合戦場面が目玉の『指輪物語』後追い作品か、と観る前からちょっと食傷ぎみだったのだけど・・・って、くどかった?
なるほどいろんなところで言われていたように、今の世界情勢からすると、ハリウッド映画においてこういうバランス感覚のある物語が描けるのは賞賛に値すると素直に思いました。
でも「それじゃ映画にならないじゃん」というツッコミを覚悟であえていうと、あそこで主人公が青臭い理屈でわがままをいわなければ「人死に」はもっと少なくて済んだのでは?
見ず知らずのお父さんが騎士だった!とか、イスラムの戦士と剣を交えて「あなたの武勇と人徳は敵対する陣営にも広く知られることとなりましょう」と褒められるところとか、そういう故事成語チックなエピソードにむしろグッときた。だから父の領土にたどり着くまでが実は一番面白かったかなぁ・・・コスチュームプレイ(もちろん本来の意味ですよ)でも、そういうこじんまりといい話から構成される映画を見てみたいものです。
☆☆☆1/2