ナルニア国物語(アンドリュー・アダムソン)

 例によって「マッシブ」あたりのモブシーン・エンジンを利用した合戦場面が目玉の『指輪物語』後追い作品か、と観る前からちょっと食傷ぎみだったのだけど・・・ニュージーランドロケやWETAが特殊効果という要素がその印象を強くする。まあ監督自身もニュージーランドの人なのだそうだが。

 実際見た感想。泥臭い『ロード・オブ・ザ・リング』の印象があるせいか、やっぱり滅菌消毒されたディズニー印のファンタジーという感じでちょっと物足りなかった。空襲されるロンドンから疎開するまでのくだりが重厚な画作りも美しく、とても魅力的だったので、むしろそのエピソードだけの映画を観たかったような・・・。考えてみると、疎開で落ち込む妹のためにお兄ちゃん達が話してあげた「おとぎ話」的な物語ではありますね。末娘のルーシーを演じるジョージー・ヘンリーが、奈良美智描く少女のようなふくれっ面でとてもかわいらしかったです。

 ☆☆☆