「グロリア」や「レオン」みたいな泣かせる「子連れハードボイルドもの」とみせかけて、実際には「俺は不器用な生き方しかできん男じゃけぇ」っていう侠気あふれるタイプの映画だったんですね。うっかりデート映画として観に行った方々は大変でした。でも「許しが得られるかどうかは神が判断される。俺は彼に会わせるのが仕事だ」みたいな気が利いたセリフが満載で、そこら辺は脚本家※、いい仕事してた。
容赦ない残酷描写はジョニー・トゥ作品を想起させるほど。ただ最近のスコット弟映画に顕著なチャカチャカしたカメラはどうにもいただけなかった。あれはなんでかな?もう落ち着いてもいいどころじゃないキャリアなのに。
出演者ではクリストファー・ウォーケンがまたギャラ以上(どれぐらいもらってるか知らないけれども。雰囲気として)の仕事してました。人生に対する諦念とそれを受け止める覚悟のある懐の深さをそれこそ雰囲気だけで感じさせる。一方主人公を演じるデンゼル・ワシントンは確かにいつも上手い役者なんだけど、形から入ってる印象が否めなくてね。ウォーケンのそういうところを勉強してほしい感じ。
ところで結末から考えると、お父さんに対する仕打ちがどうにも飲み下せない私だったのですが、皆さんはどのように感じられたんでしょうか。
☆☆☆1/2
※ブライアン・ヘルゲランドだった。さすが。