ディケンズ原作を大胆に現代劇に翻案。原作未読だったのだけど、どのような変更がなされたのかすごく興味がわいたので、今度原作にあたってみようと思います。お話全体としては確かにディケンズ風、というかツイストの部分が特に当時の英国(通俗)文学チックだった。ああいう感じ、結構好きです。
出演者の中ではとりわけクリス・クーパーが好演で、幼くして姉から見捨てられた主人公を義理もないのに一人前に育て上げてくれる姉の元恋人役。都会での栄達のため切り捨てるべき「過去」として主人公が苦渋の選択を迫られるシーンでの彼は特に泣かせます。さすが芸達者、主役の立て方が上手。でもこの映画が製作された時は今ほど注目されていなかった時期なので、関連サイトでも悲しいくらい言及されていません。この作品から「遠い空の向こうに」への流れが「アメリカン・ビューティ」でのブレイクを導いたのだと思うけど。
ところでこの映画、帰省中の実家で家族と一緒に見てたのですが、ラブシーンが突出してエロい!少年少女のキスまでも。この年齢になってもやっぱり気まずいもんですね・・・。ラテンの血なのか、ほとんど「青い○○」的タイトルの映画のような演出。さすが「天国の口、終りの楽園。」の監督だけはあるなと妙に感心。「ハリー・ポッター3作目」もこの雰囲気で演出してたら・・・と、ちょっとそういうのを観てみたかった気も。
☆☆☆