ハリー・ポッターと炎のゴブレット(マイク・ニューウェル)

 なんだかんだいいながら、毎回映画館で観てるこのシリーズ。さて今回は・・・

 まず不満な点から。これはシリーズ通じてのことだけど、ハグリッドやシリウスの冤罪事件がありながら、一方でカルカロフみたいな元デスイーターが校長を務めていたりと、犯罪の裁き方がそういう風に杜撰すぎる。加えてスネイプは「怪しい人物と思わせといて、実はいい人」という展開が既にあったのだから、「でも元デスイーター」というのは今さら余計な属性と感じた。(原作ではそれなりに理由があったのかもしれないけど。)

 今までいい人と思ってたのが、結末で実は・・・的などんでん返しが「2時間サスペンス」なみにこのシリーズのルーティンになってるけど、もう無理矢理ひっくり返さなくてもいいと思う。よもや最後にはダンブルドアが実は闇の勢力の影の長だった、みたいな話にならないだろうな(ブラックエンジェルスみたいに)。

 良かった点。シリーズを重ねるごとにVFXが格段に技術向上している。飛行シーンの処理がなめらかで、合成もブルーバック臭がほとんどない。回廊の柱ごしにボーバトンのペガサス馬車が到着する画は鳥肌が立つほど。学校の屋根でのドラゴンとの対決シーンも「カリオストロの城」リスペクト?風の画作りだったけれど、アクションの構成が緻密で緊迫感があった。

 それにしても生徒を水中に人質として拘束しておきながら、それを命がけで助けたら「大丈夫だったか?!」ってどういうマッチポンプぶりだよ!それと簡単に「寒い」と断ずることもできない様な微妙なオモシロシーン。いびつという点では両者の感覚は通じてるような気がします。そこら辺は監督が交代しても変わらないトーンなので、原作がやっぱりそういう雰囲気なのかなぁ・・・
☆☆☆