2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ギャンブラーが多すぎる(ドナルド・E・ウェストレイク)

ギャンブル好きの青年チェットはタクシー運転手。ところが、馴染みのノミ屋のトミーが鉄砲で殺されたことであらぬ疑いをかけられて、対立する二つのギャング組織から追われることに!そこにトミーの妹まで乗り込んできて… ギャンブラー、正直そんなに多すぎ…

神々の山嶺(パトリック・アンベール)

日本の原作であるにもかかわらずバンドデシネのアニメ化のような雰囲気でした。一方で、矛盾するようだけど実景を撮影したような生々しさ。(絶景という他ない山嶺の神々しさはもちろん、ビバークで夜を過ごすつらさとか、雪崩の質感とか。)映画とは「普通…

ベルファスト(ケネス・ブラナー)

天真爛漫な主人公の少年バディの笑顔がいいのと、じいちゃんの警句じみたセリフが良かったですね。こういう状況はつらかったろうな。 ☆☆☆1/2 ※ジュディ・デンチ以外(とはいえ母親はダブリン出身とのこと)はアイルランド出身の俳優で固めているというの…

おおきなかぶ、むずかしいアボカド(村上春樹)

村上春樹のいつものやつという感じで気軽に楽しく読めました。しかしながら10年ちょっと前の時点の感覚であってもちょっとだけひやひやする要素がありましたね。(正直、初期の短編には今となっては笑えないな、というものもある。作者としてそこが更新さ…

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒(キャシー・ヤン)

やりたいことはよく分かるし、狙いは概ね上手くいっていると思うのだけど、些かパンチに欠ける印象でした。やっぱり敵役が地味だったのかな。シオニスはユアン・マクレガーの柄じゃないというか(悪役は演じられると思うけど)、いわゆるこういうサイコっぽ…

一人称単数(村上春樹)

(今回は批判的な文章になるので作品を楽しく読んだ方は読まれないでください。)さて初期の頃からのファンで今も「熱心な」読者というのはどれくらいいるのだろうか?最初に結論を書くと、いつもの手癖で書いたほどほどの短編集という印象でした。 『女のい…

画家と泥棒(ベンジャミン・リー)

ベルティルのリアクションのくだりもさることながら、うえー…マジか?となる結末が心に残るドキュメンタリーでした。監督の意図はどうだったのかな。 ところで、俳優が再現ドラマとして演じているかと錯覚するくらい主役2人がフォトジェニックだったのと、…

劇場版 呪術廻戦 0(朴性厚)

呪術廻戦エヴァンゲリオン分校といった感じでしたね。作り手がどういう話にしたいのか明確だからOKと思うけど、そういう意味で最初から厨二上等という心意気だったのだと思います。画の書き込みはさすがに劇場版でしたが、アクションについては鬼滅のような…

RUN/ラン(アニーシュ・チャガンティ)

タイトなランタイムであり、良く練られた脚本だと思いました。しかし評判の高さから期待しすぎたかな。 ところで我々観客は見ている間だけあの母親に付き合えばいいけれど、主人公はこれまでの人生を依存していたと考えたら本当に絶望しかないと思いますよね…

THE FIRST SLAM DUNK(井上雄彦)

観たあとでは、この構成しかないというつくり。バガボンドの呼吸で演出されているスラムダンクという風情でした。そして作品としては映画の『AKIRA』っぽい。 選手として試合の渦中にあるような臨場感がすごかったのと、フェイクの入れ方などの動きの付け方…

21ブリッジ(ブライアン・カーク)

テイラー・キッチュって『野蛮なやつら』からこっち、やさぐれ軍人あがり役ばかりやってる感がありますね。キャスティングがすごく贅沢なのはルッソ兄弟力なのかな。映画はタイトなつくりが好印象でした。特に「だんだん夜が明ける感じと主人公が疲弊してい…