2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ゴッドファーザー PART II(フランシス・フォード・コッポラ)

改めて見てみると、世間的な評判ほどには感心しなかったというか。やはり1作目の拡大版という印象は拭えない。 ところでデ・ニーロが駆け出しの頃は実はデ・パルマと組んでいて『アンタッチャブル』のカポネは逆輸入的出演だった、とか、パチーノが『スカー…

his(今泉力哉)

どの登場人物に対してもフェアな視線が保たれていたのは好印象でした。一方、主要キャラクターのみならず脇を固める人物たちもどこかで見たような類型的な造形で。僕にとって今泉作品の魅力は、どこか一般的な枠組みからはみ出すような、ステレオタイプを突…

KCIA 南山の部長たち(ウ・ミンホ)

組織で生きることのままならなさがよく描かれていてとても面白かった。それと「取り乱して後から裸足だったと気づく」のようなディテールが具体的で、史実を基に映画化したというリアリティをグッと迫真性を持って観客に感じさせることに成功していたと思い…

佐々木、イン、マイマイン(内山拓也)

なかなか見かけない感じのバランスで作られた青春映画でした。ムービーウォッチメンで宇多丸さんが「友情というものの得体の知れなさ」と表現していたけど、本当に「かけがえのない時間」でありながら「寄る辺なきもの」でもあるという不思議な関係性を良く…

ナイト・エージェント(マシュー・クワーク)

あまり話題になっていた印象がないけれどとても面白かった。体制側の仕組んだ陰謀で誰を信用してよいか分からないし、誰にも助けを求められない、というのはベタな設定ではあるけれど手堅い物語運びで緊張感があった。それ以上に現状のロシアを巡る政治情勢…

息吹(テッド・チャン)

SFは、現状発明または発見されていない事物・事象そのものの面白さに軸足を置いたものと、それが社会に与えるインパクト、変容を中心に描くものがあると思うけれど、テッド・チャンは明らかに後者ですよね。私は両者のバランスがとれたもの(といっても結局…

ハードコア(イリヤ・ナイシュラー)

1シーンごとに工夫が凝らされていて、アクションの組み立ても立体的(落下や建物の高低の演出がいい)で素晴らしい。GoProとワイヤーで作っただけですよ、と監督はインタビューで謙遜してたけど、本当にどうやって撮ったか分からない場面も多かった。 不死身…