2021-01-01から1年間の記事一覧

EXIT イグジット(イ・サングン)

小・中の頃って(なんなら今だって)もしテロリストが襲ってくる等の不測の事態でビルから出られなくなった時に、屋上伝いに脱出するには…と夢想するものだけど、まさにそれを具現化した作品でしたね。場面毎に一工夫しようという姿勢も嬉しかったです。 ☆☆☆…

スレッズ(ミック・ジャクソン)

有名なトラウマ映画と最近知りました。実際見てみたら感受性豊かな幼少期にショックを受ける(主にビジュアル面で)類の作品じゃなくて、年をとればとるほどダメージが大きい話だったですね。心に余裕がある時じゃないときつい内容でしたよ… ところで監督は…

バットマン・リターンズ(ティム・バートン)

ミシェル・ファイファーがヘレナ・ボナム・カーターみたいに撮られていたので、やっぱりこういう感じが好みだったんだな、と思いました。 バートンワールドの実写での再現性(ペン画みたい)がすごくて感心するけど、やっぱり箱庭みたいで窮屈なんだよね。 ☆…

アイネクライネナハトムジーク(今泉力哉)

残念ながら今作は上手だな、と思える瞬間がなかったな。芝居という意味での演出が巧みな監督とは思わないのだけど、役者同士の掛け合いが有機的な何かを生み出す(格好つけていうと「そこで何かが立ち上がる瞬間がある」ということだと思うけれど)場を捉え…

技術者たち(キム・ホンソン)

コン・ゲームものなのでどうしても構えて見ちゃうけど、ツルツルあっさりいただけました、という感じ。でもそこが良さなので。(個人的には似たようなタイトルの『監視者たち』の犯罪者の業みたいなコクがあった方が好きなんだけど。あれはリメイク元も良か…

用心棒(デイヴィッド・ゴードン)

ちょっと物語にとって都合よすぎる展開が多いのと、用心棒稼業がほとんど描かれないので看板に偽りありではないか。というか杉江松恋氏の解説の方が面白かった。 時代の波にさらされて細部が気にかかり、過去のようにはエンターテインメントが楽しめなくなる…

デッド・ドント・ダイ(ジム・ジャームッシュ)

僕は面白かったけど、随分無茶をしているな、とは思いました。 感想を書けばその一言に尽きるのですが、自分の中で発見があったのでもうちょっと書きます。ある映画の「面白そうな雰囲気」の場面を見ているだけで楽しい、という確固たる感覚が僕の中にあって…

シン・エヴァンゲリオン劇場版(庵野秀明)

アマゾンプライムで再見。字幕付きで見たのだけど、しらふじゃ聞いてられない思わせぶりなセリフとか、もうわざとやってるとしか思えない。あと第三村関係は細田作品的な匂いを感じて実は苦手だった。(宮崎駿風だったら飲み込めたと思う。) それとやっぱり…

バトルフロント(ゲイリー・フレダー)

ステイサム映画には、無茶苦茶期待しなければ面白く観られる「ほどよい作品」と、そんなに期待してなかったのに「実際観たらすごく面白い作品」があると思うけど、前者だったかな。スタローンの脚本はタイトなつくりでよかったですね。しかし邦題は意味が正…

王朝の陰謀 判事ディーと人体発火怪奇事件(ツイ・ハーク)

タイトルの情報量が多すぎて何となく見てなかったけど、すごく面白かった。そういえばワイヤーアクションってこんな感じだったよな、と思い出しました。思いついたアクションをライブで実現する無茶さ加減がいい!(CGでは出せない味わいがあるのです。) 犯…

ブックスマート(オリヴィア・ワイルド)

最高にチャーミングな映画でした。 嫌われることを恐れるあまり、先に距離を置いてしまえば傷つかなくて済む、と思いなして卒業前日まできちゃったけど、思い切って「飛んで」みたら実はみんないい奴らだった、という優しいお話。悪人が一人もいない※1とい…

バッドボーイズ フォー・ライフ(アディル・エル・アルビ、ビラル・ファラー)

いろいろ設定が無茶だけど、ベイっぽさはありました。こういうのはもういいかな…(って1作目の時から思ってたような気もするけど。) ☆☆☆

拾った女(チャールズ・ウィルフォード)

正調ノワールかと思ったら意外と定石を脱臼する展開が多くて、主人公の転落をなすすべもなく見守るしかないという「破滅もの」という印象でした(語りに仕掛けのある主流文学でしょうか)。正直苦手な分野だったのですが(読み進むのが辛い)、そういうこと…

ヴィジット(M・ナイト・シャマラン)

ホラーというより是枝監督的な何かじゃないかと思いました。 ☆☆☆

ジェミニマン(アン・リー)

せっかくの僕が偏愛するデイヴィッド・ベニオフによる脚本だったけれど、擁護できない穴だらけの内容でした…なまじCGの出来がよいせいで、クローンをわざわざ大人まで育てるのって迂遠すぎるのでは?どこかから適正の高い人をリクルートしてきた方が早かった…

ザ・ハント(クレイグ・ゾベル)

訳も分からず集められた人々が顔の見えない敵に向かってサバイバルしていく、というのは娯楽作品の一つの型としてあると思うけど、先が読めないし色々工夫があって面白かったです。こうであってほしかった『プレデターズ』という感じかな。 ☆☆☆1/2 ※とこ…

スーパーマン(リチャード・ドナー)

多分リチャード・ドナー追悼企画だったんじゃないかと思うけど、アマゾンにアップされていたのですごく久しぶりに見ました。スモールヴィルの雄大な景色など、そういえば昔の大作ってこんな感じだったよな、と堂々たる風格でグッとくる。思うに現在の大作映…

イコライザー2(アントワーン・フークワ)

想像してた以上に面白かった。残念な拡大再生産かと思っていたので。もしかしたら1作目より好きかもしれない。嵐の中での決闘が新鮮(プロダクションデザインがすごい)。 ただの殺し屋で終わるか否かは本を読んでいるかどうかで決まるという話だと思いまし…

ギルティ(グスタフ・モーラー)

ソリッドシチュエーション・サスペンスと呼ばれる分野の映画だと思うけれど、「ワンアイディアでどこまでいけるか」とか「ツイストが」みたいな観点よりも、むしろ主人公の内面にフォーカスした作品だったんですね。 ただ、評判に引っ張られて観たので、健闘…

ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(ジョージ・A・ロメロ)

『ゾンビ』『死霊のえじき』は見ていたのだけど、ようやく見ました。(これまでも何度かトライしてたんだけど、家に入ってからの2人の会話の場面で寝ちゃってた…。)所謂ゾンビものの定型とされる要素は出そろっているし、シンプルな作品が持つ力強さがある…

幸福路のチー(ソン・シンイン)

台湾のこと、分かってるつもりで全然分かってなかったというか、わりと最近に至るまで激動だったんですね。それと内容そのものが結構きつかったです。ほっこりするような作品ではなかったんだな。 ☆☆☆

虹色と幸運(柴崎友香)

日常系、語りに仕掛けがあるギミック系、毒のある話、若干超常系と著者の作品はいくつか分野があるけれど、『フルタイムライフ』みたいな日常系でしたね。 ふとしたきっかけでとても親しくなって、ある時期を境に疎遠になったり、また久しぶりに集まるように…

トゥモロー・ウォー(クリス・マッケイ)

(ネタバレ)こういうジャンルの映画の難点をあげつらっても無粋なだけなので、むしろいい湯加減の映画だなと楽しんだのですが… ・とはいえ、タイムパラドックスについては考えないわけにはいかなかったですね。過去(現代)で解決したら分岐した「そうでな…

オッドタクシー(木下麦)

こんなに次が気になったドラマは『トゥルー・ディテクティブ』以来かもしれない。日本で正攻法でハードボイルドをやるとともすればコント風になるのを、動物にすることで上手く回避しかつやり切ってましたね。 人物とエピソードの出し入れがとにかく的確。主…

アド・アストラ(ジェームズ・グレイ)

(ネタバレ)外界の刺激に心を動かされないように進んで感覚を摩滅させてきた人間が、とある任務を携えて容易に足を踏み入れられない闇の深奥(ハート・オブ・ダークネス)に乗り込んで行く… これって『地獄の黙示録』というか『闇の奥』じゃないか、と思っ…

EVA〈エヴァ〉(キケ・マイーリュ)

村上春樹作品をスペインで実写映画化、みたいな話でした。映画の構えが大きくないのも好印象だったですね。 ☆☆☆1/2 ※スペインの雪景色というのが新鮮でした。それにしてもアマゾンの紹介はネタバレすぎだろう…

いろいろのはなし(グレゴリー・オステル)

閉園後の遊園地、メリーゴーランドの馬たちを寝かしつけるのに園長はお話をします。しかし馬たちはなかなか物語に満足せずに、登場人物のその後を知りたがります。求められるままに園長はお話を語り続けるのですが… 「つまるところ物語とは登場人物のエピソ…

ブラック・ウィドウ(ケイト・ショートランド)

結論を言うと大好物でした。時々アベンジャーズ関係の用語が出てくるから「そういえばマーベル映画だった」と我に返ったけど、特に前半はボーンシリーズみたいなエスピオナージュ・アクションでしたね。(007やMIにも目配せがありましたが。)そして舞台が変…

アメリカン・スリープオーバー(デヴィッド・ロバート・ミッチェル)

スターじゃない普通のアメリカ人は不格好だな(というかどこの国でも一般人がカメラに撮られたらそんなもんだよな)と思ったのと、ちょっと台風クラブっぽいなと思いました。ここから『イット・フォローズ』に行くのだからすごいですね。(あれは同じ廃墟か…

エクストリーム・ジョブ(イ・ビョンホン)

ひと頃の韓国クライム・アクション映画は陰惨かつ苛烈なバイオレンス描写が代名詞でしたが、それこそエクストリーム化していくとそちらには展望はないとかねがね思っていたのだけど、バイオレンスじゃないもう一方の要素というか、くだらなくてあまり笑えな…