2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ドラゴン・タトゥーの女(デヴィッド・フィンチャー)

なめらかな語り口で紡がれる娯楽作。有体にいって話の骨格はどうということはない(エピソードを拾ってみれば些か過剰にセンセーショナルな線を狙いすぎているきらいもある)のだけれど、洗練を極めた演出で2時間38分たっぷりフィンチャーにもてなされた…

ギ・ローバー:ウエスタンシャツ

シャツは基本的に消耗品だと思うのであまり高価なものには手を出さずにいたのですが、誕生日にちなんでだったらバチも当たるまいとあこがれのイタリア製シャツにチャレンジすることに。大柄チェックの麻生地。 ギ・ローバーはマシンメイドのシャツでどこまで…

ゴーストライター(ロマン・ポランスキー)

正直、登場人物が全員出揃ったところでネタは割れているようなものなんだけど、それは欠点では全くなくて、クリシェの枠組みだけでどこまで魅せきるかという一流シェフの試み※1を味わうような作品でした。そういう意味では世評芳しからぬ『ナインスゲート』…

ラスト・ターゲット(アントン・コービン)

映画の印象というものは観たときのコンディションに大きく左右される、ということはよく言われるところですが、今回はそれが身に染みたというか。あまり主人公に感情移入できなければ、「70年代クライムサスペンス風の小品」※1にすぎない映画だと思われま…

英国王のスピーチ(トム・フーパー)

ごく大雑把にいって、およそ娯楽作というものは「(物理的・精神的な)障害の設定→主人公の成長→打破」という形式を取るものだと思うのですが、それは青春もの、恋愛もの、もちろんアクションものも、というようにジャンルを問いません。この物語もその例に…