2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ビザンチウムの夜(アーウィン・ショー)

栄枯盛衰の激しい映画ビジネスの世界で、かつては大立者として認められたクレイグ。しかし時代の趨勢には逆らえず、ここ最近は半ば忘れられた存在だった。そんな彼が久しぶりにカンヌの地に帰ってきた。それは自ら初めて書いたシナリオを「仲間たち」に問う…

あなたと私の合い言葉 さようなら、今日は(市川崑)

『青空娘』の若尾文子も溌剌として良かったけれど、こちらの感情を押し殺して忍ぶ姿もかなりグッときました。(そしてメガネ!) 導入で歌謡映画と見せかけて、実は小津パロディというのもすごいけど、画的な話をすると、市川崑のスタイリストぶりは本当に相…

ベッドタイム・ストーリー(アダム・シャンクマン)

スマッシュヒットになった『魔法にかけられて』の夢再びということなのか、「ファンタジーの現実浸食」系作品。とはいえむしろ『悪いことしましョ!』的な主人公の暴走する妄想を楽しむコメディですね。 作品自体の精度でいうと、とても『魔法にかけられて』…

コネクテッド(ベニー・チャン)

サスペンスアクションの佳作『セルラー』の香港リメイクです。ヒロインを助けるために奔走する主人公が「学生」から「糊口をしのぐために借金取りをしているお父さん」に変更されていたり、一見うだつが上がらない感じの警官ウィリアム・H・メイシーが、有…

クロケット&ジョーンズ サイドゴアブーツ:Chelsea

仕事用の黒靴が6年以上になって、そろそろ新しいものがほしいという気分になりまして。しかし当初は、クールビズ期間中のドレスコードがゆるめなので、スエードのチャッカブーツもありだなとチャーチのサハラも検討していたのです。でもいざ実物を見てみる…

最終目的地(ピーター・キャメロン)

南米ウルグアイの人里離れた場所オチョス・リオス。そこには自殺した作家グントの妻、愛人とその娘、そして作家の兄とその恋人がそれぞれの孤独を抱えて生きていた。時が止まったかのようなその場所に、ある日闖入者が現れる。彼はアメリカの大学院生で、グ…

イヤホン散財記

iPod用のイヤホンは、最初オーディオテクニカのもの(3,000円くらい?)を使っていて、結構それなりに満足していたのだけど、もうちょっと良いものも試してみたいと購入したのがshureのSE115でした(legendary performanceっていう惹句が景気がよくてい…

パイレーツ・ロック(リチャード・カーティス)

自分にロック愛が欠けているせいか、最後まで乗りそこねた感じでした。(世評芳しい同監督作の『ラブ・アクチュアリー』にも言われているほどピンとこなかった人間なので、その点割り引いてもらった方がいいかもしれませんが・・・) また、いいキャラを揃え…

無伴奏ソナタ(オースン・スコット・カード)

エンダー・シリーズばかりが紹介されているところや、ハインラインの『宇宙の戦士』との絡みで戦争ものSFはちょっとな、と作者の作品自体を何となく敬遠していたのですが、これは粒ぞろいの傑作短編集。まさしく読まず嫌いで損してました・・・以下特に良…

母なる証明(ポン・ジュノ)

そもそも勝手な思い込みだったのだけど、『殺人の追憶』からこの作品まで観てきて「ああ、監督の志向は俺の期待していた方向ではなかったのだな」とようやく得心。 すごく乱暴なカテゴライズですが、復讐3部作以降のパク・チャヌク作品的というか『チェイサ…

SFマガジン6月号「スチームパンク・リローデッド」

スチームパンクって彼の地では結構なムーブメントになっているそうで。解説では、映画『シャーロック・ホームズ』での意匠にも言及がありましたが、なるほど納得。実は『ウルフマン』のちょっと唐突なリメイクにも何故また?と思っていたのだけど、19世紀…