2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

Dr.パルナサスの鏡(テリー・ギリアム)

『バロン』のような徹底したナンセンスを期待していたのだけど、そこまで弾けてないというか・・・ヒース・レジャーの件はあれども、その件がなくても落としどころを迷っている印象に変わりなかったのではないでしょうか。「警察に入ろう!!♪」のくだりはモ…

ラブリーボーン(ピーター・ジャクソン)

『指輪』や『キング・コング』の後だからこれでも十分こじんまりなんだろうけれど、『乙女の祈り』のような小品を期待していたのでちょっと詰め込みすぎ、あるいは視点が拡散しているきらいがありました。マーク・ウォールバーグ(本当にいい役者さんになっ…

サリンジャー

サリンジャーが亡くなりました。僕はとてもサリンジャーの良い読者だったとは言えないけれど、(ご多分に漏れず?)高校から大学にかけて通過儀礼のようにして諸作を読みました。享年91歳だったとのことなので、普通だったら大往生と言われる年齢かもしれ…

『Daybreakers』は『アンデッド』の監督作品だったのか・・・

結末のセンス・オブ・ワンダーを感じる大どんでん返しとムチャなアクションが好印象だった『アンデッド』でしたが、その後、スピエリッグ兄弟の名前を見ることがなかったので「弾けそこなったのかなあ・・・」と残念に思っていたのだけど、この1月8日から…

生きる技術は名作に学べ(伊藤聡)

読書カテゴリで何度か書いたことがありますが、僕は模試や授業にでてくる小説が好きでした。教科書の中の抄文から、あるいは問題として引用されている箇所から全体像を推測するのが楽しかったし(小説本体がその推測を大きく覆す物語だったらもっと楽しかっ…

ジャッカルの日(フレッド・ジンネマン)

カラッカラに乾いたドライでドキュメンタリータッチの演出(ハニートラップに見事に引っ掛かってしまう大臣の顛末ときたら...)。プロフェッショナルの意地のぶつかり合いだけでここまで盛り上がるとは!!どこをどうすればウィリスVSギアの『ジャッカ…

真夜中の滑降(アーウィン・ショー)

眼の病でパイロット稼業を辞め、将来の展望もなくやさぐれていた主人公と、戦争の経験から心の中の虚無を締め出すことができない中年ギャンブラーの友情。なんだかふた昔前の仏映画のような組み合わせが泣かせます。 後半の道楽三昧の描写もリアリティがあっ…

ザ・スピリット(フランク・ミラー)

単独で監督するというからどういう作品になるのかと思ったら『シン・シティ』の二番煎じ?「監督」クレジットではあれだけの騒ぎがあったのに・・・という感じで、評判もあまりピンとこないものだったので映画館には足を運ばなかったのだけど。実際に観てみ…

かいじゅうたちのいるところ(スパイク・ジョーンズ)

作品中「かいじゅうたち」の世界に波紋をもたらす、文字どおり「知恵のシンボル」たるフクロウが登場します。しかし、かいじゅう仲間のリーダー格であるキャロルにはその言葉を理解することができません。これは拠って立つ文化が異なるということのメタファ…

TOUCH(土岐麻子)

キリンジつながりで手に取ったアルバムでしたが、ティアナのCMで使われていた「Waltz for Debby」をカバーしてた方だったんですね。(※ちょっと横道に逸れますが、ただ気が利いているだけに留まらず、車のコンセプトを見事に現していたCM音楽という点では…

コンラッド短篇集(ジョゼフ・コンラッド)

岩波版です。映画好きにとってコンラッドというと、まず『地獄の黙示録』として映画化された『闇の奥』の作者ということになると思うのだけど、それに先行する『アギーレ 神の怒り』も同作を下敷きにしていたり、近年だと(この短篇集にも収録されている)『…

ヤコブ・コーエンJ620

スラックスのパターンで作ったデニムパンツでおなじみのヤコブ・コーエンです。とか書いておきながら、テーパードのスラックス仕様(J610)ではなくて、普通のストレートのモデルの方なんですが。 ここ最近特に、インコテックスやPT05のように所謂ジ…

ディア・ハンター(マイケル・チミノ)

耳にする機会も多い、哀切なメロディーが印象深い「カヴァティーナ」はこの作品のテーマ曲だったんですね・・・『ディア・ハンター』観ずしてロシアン・シシトウとかいってる場合じゃなかったな。昔は結構TVの洋画劇場で放映されてたような記憶もあるのだ…

カラマーゾフの兄弟(ドストエフスキー)

(自らに科した)冬の課題図書をようやく読み終えました(光文社の新訳版)。てっきりカラマーゾフ一族にまつわる一大クロニクルなんだと思ってたら、直接語られるのは3日+数ヶ月の期間に過ぎないんですね。メジャーすぎて読んだ気になっている定番の名作…

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。 生まれたての初孫(弟のところの姪)の一挙手一投足に実家中が右往左往しているのを横目に淡々と更新していると、ハリウッド映画なんかによくある「ちょっとアレなお兄ちゃん」のリアル版…