2004-08-01から1ヶ月間の記事一覧

LOVERS(チャン・イーモウ)

今回もチャン・ツィイーは泣きべそ一歩手前顔。魅力はあるけど、もうちょっと芸域を広げた方がよいのではないか。タイプキャストが続くと今後のキャリアに障りがあると思う。今回も「HERO」ほどではないが、様式美の世界だった。開幕、遊郭のセットセッ…

シン・マシン(坂本康宏)

脳の一部が機械化してしまう奇病が蔓延し、罹患者が外部の機器を利用せずにネットワーク化された社会。奇病に対する免疫があった者は、そのネットワークからはじき出され、疎外されていた。免疫者=スタンドアロンである主人公の青年はその日暮らしを余儀な…

マラソン・マン(ジョン・シュレシンジャー)

マルト・ケラーとウィリアム・ディヴェインがものすごくニューシネマ顔。この映画は幼い頃淀川長治の「映画への招待」という宣伝番組で予告編をみたことがあったのだが、汗臭そうなダスティン・ホフマンが走っているところと歯科手術拷問のシーンがやけに印…

五月三十五日(エーリッヒ・ケストナー)

少年と叔父と人間の言葉をしゃべるローラースケートを履いた馬の3人組が、「なまけものの国」「電気仕掛けの都市」「さかさの国」など風変わりな国を経由して、南洋めざして冒険旅行を繰り広げる。あらすじを読むと、ガリバー旅行記のような物語の形式、ま…

海辺のカフカ(村上春樹)

先に読んだ友人に、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」みたいなところがある作品である、と聞いていたので先入観があったことは否めない。この作品を読み終わって感じたのは、確かにそういうところもあるが(図書館などの舞台や2つの物語が交…

ジェニファー・ガバメント(マックス・バリー)

マイレージキャンペーンをきっかけに始まった企業間抗争によって、全ての会社が2グループいずれかに属している世界。そこでは政府は無力化しており、各個人はファミリーネームの代わりに勤務先の企業名を名乗ることが義務付けられていた。皆が利己主義に走…