2004-07-01から1ヶ月間の記事一覧

パンチドランク・ラブ(ポール・トーマス・アンダーソン)

今回はついていけなかった。 PTAの映画は、(タランティーノになぞらえていえば「パルプ・フィクション」より「レザボア・ドッグス」が好きなように)彼のフィルモグラフィ上では「パルプ〜」的ポジションにあたる「マグノリア」よりは、ソリッドな構成だ…

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人(アルフォンソ・キュアロン)

3作目にして初めて面白かった。まず物語のツイストが効いている。それと原作ファンには不評らしいが、メインストーリーに力点をおいて、枝葉を剪定しているのが映画としての完成度を考えると正解だったと思う。前作まではエピソードの羅列という印象が強か…

恋は邪魔者(ペイトン・リード)

人工美の極致。映画とは総合芸術だなあ、と改めて。時は1962年、まだベトナム戦争の影がささない時代。メイン州からやってきた新進女性作家バーバラは期待を胸にNYにやってきた。彼女の著作は「恋は邪魔者」という女性の自立を啓蒙する進歩的な内容。…

帝王の殻(神林長平)

3部作が完結したとのことで、まずは2作目のこの作品から。労働力であり兵器であった機械人(月人)との戦いで疲弊した地球から離れて独自の文明を築いた火星。そこでは個人用人工頭脳「PAB」が情報端末の域を超えて、第2のアイデンティティにまで成長…

夜更けのエントロピー(ダン・シモンズ)

今まで作者の作品はハイペリオンシリーズと、20世紀SFに収められた「ケンタウルスの死」及び90年代SF所収の「フラッシュバック」しか読んだことがなく、1作目は最高だったものの、ニューエイジ風の怪しい展開に萎えてしまったハイペリオンの4部作…

スチーム・ボーイ(大友克洋)

残念な結果である。 97年にバンダイの「デジタルエンジン構想」の2本柱(もう一方は押井監督の「G.R.M」)として発表された時は、大予算でどんなすごい作品を作ってくれるのだろうかとワクワクしたものであるが。これだったら「大砲の街」の方がまだし…

天使だけが聞いている12の物語(編:ニック・ホーンビイ)

J文学ならぬE文学コンピレーション風の短篇集。トレスポ、ブリジット・ジョーンズの日記などの現代(ポップ系)英文学作家の短篇を、ハイ・フィデリティの作者が編集した短編集。共通のテーマみたいなものはあまりなくて、概ねそれぞれの作家の名前から想…

ヨット・クラブ(ディヴィッド・イーリイ)

表題作は映画「パイレーツ」を何となく思い起こさせるテイスト。まるで違う話なのに。「異色作家」選集がブーム、というかブームにしようという雰囲気である今日この頃。そのいくつかに接しての暫定的な結論。僕にとって異色作家とはロアルド・ダールだけで…

スパイダーマン2(サム・ライミ)

ジェームズ・フランコっていろんな意味で伊藤英明に似てるよね。前作より面白かった。1作目では形容しがたい不完全燃焼感があったのだが、今回は満喫満足。個人的にはビルからビルへのウェブアクションより、「張り付き」の方が好みなので重力を無視したか…

コンフェッション(ジョージ・クルーニー)

思ってたより全然よかったよ!テレビの隆盛期、この業界で天下を取ってやろうと悪戦苦闘していた男チャック・バリス。思うようにならない現状にくたびれていたある時、彼は「刺激的で金になる仕事」にスカウトされた。雇用主はなんとCIAだった。「初監督…

最近のJポップ

今日FMかけながらドライブしていて思ったのだが。 なんかいろんな曲にラップ詰め込みすぎ。 少しでも間奏があろうものなら、もうラップをねじ込む。ゆるく聞くことが出来ない窮屈さを感じる。本当、普通のアイドル歌謡だなとちょっと油断して聞いていると…

21グラム(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ)

ぶっちゃけ「ハート」やん?と予告編を見たときには思ったものだったが。いろいろなところで指摘されているが、時制のシャッフルという手法は最近多用されすぎている。ストーリー上の必然性があればまだしもなのだが、そうでなければ物語をストレートに語る…

悪魔のいけにえ2(トビー・フーパー)

僕のフェイバリット・ホラーである「悪魔のいけにえ」。あのドキュメンタリーチックなざらざらした映像。それでいてハッとするような美しい画があったり、真にオリジナルでアーティスティックな骨のオブジェ。という訳で、あの(悪)夢よもう一度と鑑賞。結…