イミテーション・ゲーム(モルテン・ティルドゥム)

 タイトルが安っぽい感じがして何となく見逃していたのだけど、素晴らしく面白かった。時々、映画本編もさることながら脚本の出来の良さそのものに感じ入るタイプの作品が有るけど、正にそんな感じでした。※1

 前半のチームものから冷えびえとしたエスピオナージュに転調するところも見事だったし、分脈を読み解くことこそが情報戦、という構造が、戦争と人間関係という大小二つの枠組で並走する作りも巧み。

 役者陣が皆好演。ベネディクト・カンバーバッチは安定の上手さだったけど、ある意味タイプキャストだったので想定の範囲内としても、キーラ・ナイトレイのチャーミングさに改めて感心しました。

☆☆☆☆

※1 さすが「ブラックリスト」で高評価されていただけのことはある、というか、僕はその情報を知ってそれならば観てみようと思ったのです。

※2 この話自体、SFの短編でなんだか読んだことあるな…という気がしているのだけど、何だったっけ?イーガンの『オラクル』かな?

※3 時系列的には逆だけど、『ボヘミアン・ラプソディ』を想起しました。『ベッカムに恋して』で、あ!って思った時以来かも。