300 〜帝国の進撃〜(ノーム・ムーロ)

 正直、あえて作る必然性のなかった凡庸な続編という印象ですが、『フレンチ・コネクション』が(おそらく)負けっぱなしだとすっきりしない、という理由で続編が作られたような感じだったのかな…。まじめに凡庸さの理由を考えると、前作は戯画化された軍国主義がおぞましくも笑っちゃうという話で、本来、観客は『スターシップ・トゥルーパーズ』的なリテラシーを求められる映画だったのだけど、今回はテミストクレスという理知的な人が主人公になったため、良くも悪くもテーマがぼやけてしまったせいではなかろうか。

 個人的には、世界史の教科書を読んで、想像だけで興奮してた「クセルクセス親征」「サラミスの海戦」みたいなキーワードがビジュアル化されて、実際はこんな感じだったんだ!と思ったり(多分8割フィクションだけど)、敵役のアルテミシアが不憫すぎてギリシャ滅んでいいんじゃないかと思いながら観ていました。あとプロダクションデザインがパトリック・タトポロスだったのはやっぱりギリシャが舞台だからだったのかなと思ったり。

☆☆☆