いまさらビルド

 ビルドというのは前作の仮面ライダーのことなんですが、というのは前々作であるエグゼイドでも同じような書き出しで備忘録を付けたのだけど、この2作を通して見てきて気付いたことがあったので書いておきます。

 結論、クリフハンガーの技術を洗練することに主眼があって、テーマなどは割と二の次なんだな、ということ。実際、毎回残り5分くらいでの「引き」の巧さで「え?どういうこと?」となって、ついつい子どもと一緒に全部見てしまったのだけど、結末まで見てしまった今から振り返ると、辻褄が合ってなかったり、サプライズのためのサプライズ演出であった要素も多かったことに気が付きます。「火星が滅んだ理由は?」「パンドラボックスとは?」「3国分割は如何にして収拾されるのか?」といった第1話で提示された、云わば三題噺的な要素は一応消化されたものの、蓋を開けてみれば、あ、その程度の話だったのね、というものでした。(印象としては、物体消失や密室ミステリのネタが割れたときのガッカリに近い。)

 ただ補足するならば、「クリフハンガーの技術の洗練」と書いた通り、主題歌の省略や配置換え、次回予告の提示仕方など、パッケージを含めて工夫が凝らされていて、その点だけは素晴らしかったと思います。ただもうちょっとテーマに対して真摯な姿勢で臨んでくれたらな、というのが正直な感想でした。