読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

美味しいコーヒーって何だ?(オオヤミノル)

読書

 京都のカリスマ的ロースターが著名なロースター3人と対談する、という形式の本。
 「コーヒー道」の求道者たち、なんて想像するだに面倒くさそうで、実際この本に登場する人々もその例に漏れないのだけど、未だに「正解」が確立していない世界だからこそ探究も可能な訳で、面倒くさいジャンルというのはやっぱり面白いなあという印象でした。
 あと、自分がコーヒー豆をいろいろ選ぶようになったきっかけは、これまたご多分に漏れず所謂スペシャルティコーヒーのブームからで、その当時そういう世界があるのか!と感心した口なんだけど、ヴォアラ珈琲の井ノ上さんが「スペシャルティとかCOEは結局売り方であって、農園云々は商売としては否定しないが、つまるところいい豆かどうかがあるだけ」と語っている※1のが、現在のコーヒーに対する自分の世界観が覆されるような衝撃があって興味深かったです。
 ところでオオヤさんがたびたび口にする(そして対談相手になかなか通じない)、理想形の指標「昆布みたいなしょっぱさ」っていうのは、玉露が適性に抽出されたかどうかの目安とされる「うま味成分(アミノ酸)」と同様のことではなかろうかと思ったのだけど、はっきりそう断言してくれないので隔靴掻痒の感が。
 それでここからは完全に蛇足ですが、先日実家に帰省がてら、久しぶりにハニー珈琲で豆を買って、飲み比べようと、(今まで名前を知っていながらタイミングを逸していた※2)この本で名前の挙がっていた珈琲美美の豆も買ったのだけど、なんかもう緑茶と紅茶ぐらいの違いがありました。(そしてお客さんたちがやっぱり面倒くさそうな一家言ありそうな人々だったのが面白かったな。)
 ともあれ、コーヒー豆の種類や焙煎度合いの違いに感心があるような読者には、なかなか興味深い対談集ではないでしょうか。
☆☆☆1/2
※1 と言いながら、ヴォアラ珈琲のネット販売ではスペシャルティーとかCOEを謳ってるのだけど。
※2 大学から散歩の距離なのになぜ知らなかったのかな…コーヒー豆を食わせるので有名な面白店主の店には行ってたのに…と思ったら、2009年に現在地に移転されてたんですね。それにしても、日本でもその名を知られた名店とまでは知らなかった。