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『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(アンソニー&ジョー・ルッソ)

 これは良くできた映画でした。なんだか数合わせで作られたようなぬるま湯の前作からすると驚きの進歩。『アベンジャーズ』がいい意味でのお子様ランチだとすると、大人な風格のある作品だと思う。
・冒頭のランニング合戦でのやりとりからして楽しい。気が利いたセリフはハリウッド映画の醍醐味だけど、全編にわたって上手く書かれたダイアローグが緩急自在に物語をドライブする。「・・・使える機能はあるのか?」「エアコンは快調です」はツボでした。
・船の攻略シーン。個人的にはここが一番面白かったかもしれないほど、僕が「テキパキシズル感」と呼んでいるところのチームアクション(ex.『ダイハード』のナカトミビル占拠シーン)が素晴らしい。各々が割り振られた役割を的確にこなしていく、あの感じ。演出と編集が上手く噛みあわないと発生しない目の快楽です。加えていうなら、冒頭のランニングシーンで地味ながら「常人ではない」印象を観客に与えていたのが効いていて、無敵のスーパーヒーローではなく「強化された人間」ならではの絶妙なアクション演出がなされていたように思います。
・あれ?ブラックウィドーって、ホークアイといい感じになってなかったっけ・・・※1
・誰もが指摘するところの『大統領の陰謀』『コンドル』を踏まえたレッドフォード起用ですが、前見た時よりあまりに老けてたのがショックで、おじいちゃん無理しなくていいんやで・・・という気持ちに思わずなってしまった。それはさておき、70年代ポリティカルサスペンスへの目配せという点では『マラソンマン』も意識してたと思うなあ。
・ナイフ格闘の殺陣もよく工夫されていて興奮したのだけど、近接戦闘でハンドガンを使うところが新鮮でした。ウィンターソルジャー超カッコいい。
・つまるところ、国を守るという大義の前には多少の犠牲はやむを得ないし、「積極的な対処」がむしろ必要、という様に、目的を見失って手段が暴走する話だったわけですが、結局、一部の悪い人たちが上層部にもいたよ!という風に矮小化されてしまったのが残念。むしろ「それ」こそが国家という生き物の意思だった、という物語だったら薄気味悪くてもっとよかったのに、とも思いましたが、そこまでやっちゃうとヒーロー映画の範疇を超えてしまうかな…。
・その点で、それを潔しとしないキャプテン・アメリカというのは、やはりアメリカ人が自らをしてこうあってほしいと望む「アメリカの良心」を象徴しているのだなと、特殊能力などはさておき、マーベルヒーローの中でも特別な存在なのだと得心しました。
☆☆☆☆☆
※1 スティーヴにいい娘をしきりにお薦めするあの感じ、よかったなあ・・・
※2 ところで重箱の隅をつつきますけれども、ヒドラが「支障となる芽は早く摘む」と、トニーの父ちゃんが若くして消された風になってたけど、結構いい年まで生きてたよね・・・、あと『アイアンマン』でコールソンが適当な略称を検討中っていってたのに、シールドって昔からある組織だったの?