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ミッション:8ミニッツ(ダンカン・ジョーンズ)

 監督自身がその影響を語っているように、『12モンキーズ』の変奏というか同質のロマンティシズムをはらんだ作品だな、と感じました。以下ネタバレ前提なのでご注意ください。
・やっぱり一番わくわくしたのは、作品世界のルール設定が観客にも不明で、なぜここにいるのか?を主人公とともに探りながら観ている時点でしたね。逆に言えばネタが割れてからどれだけ求心力が持続できるか、が監督の腕の見せ所だと思う。その点ジョーンズの膂力は素晴らしいと思います。
・ヒントになる車のナンバーを伝えるのに、主人公は軍属だけあってCGYを「チャーリー、ゴルフ、ヤンキー」って呼ぶのだけど、それを聞き伝えするオペレーターも軍の人なのに、彼女は普通に「シー、ジー、ワイ」と伝えるのが可笑しかった。
・主人公が過去に働きかける都度、平行世界が生まれている(と理解しております)というSF(すこし・ふしぎ)センスには『のび太の魔界大冒険』を連想しました。※ でも厳密に理屈をいうなら何故あのメールが届いたのか?という話になるんだけど・・・
・無粋ついでに。ネガティブな側面からみると「あの世界」ではショーン先生はスティーブヴンス大尉に体を乗っ取られたままなんですよね。ということに気づいて、なんだか『マルコヴィッチの穴』のような宙吊り的感覚になりました。いや、そういう微妙な気分を味あわせてもらうのもSFの醍醐味なので全くOKなのですが。
 しかしその一方で、(前作もそうだったけど)結末のダメ押しが個人的な好みからいえば些か長いんですよね。フリーズのシーンで止めてくれたら文句なしだったのだけど・・・
☆☆☆1/2
もしもボックスのテクノロジーとは、仮想世界を構築するのではなくて平行世界に橋を架けるためのものだった、というのがあの作品中一番の衝撃だったなあ。