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レポゼッション・メン(ミゲル・サポチニク)

 一見煌びやかな大都会の下層にはスラムが広がり、代替器官が一般化、アンダーグラウンドの技術者はアジア人、ときたらこの映画は『ブレードランナー』直系のディストピアものですね。(実際の画は『トゥモローワールド』のリアリティでブラッシュアップされていた印象ですが。)
 ・サブプライム・ローンの貸し剥がし・・・使える!ディストピアものいける!ってハリウッドは直球だなあ・・・
 ・どうしてあのヒロインを命がけで守りたいと思ったのか、その過程の描写の説得力が弱い気がして、個人的には全面的には乗れなかったよ・・・そこは大事じゃないかな。
 ・奥さん『ブラックブック』の主人公か!・・・なんかもったいない使われ方やね。
 ・最初は臓器回収という仕事について、倫理上の痛痒を全く感じていなかった主人公ですが、立場が入れ替わると「回収され死んでいった人たちにも家族があったんだ・・・」と反省するのだけど、その一方で今度は人工臓器会社側のガードマンを躊躇なく殺すんだよね。その人たちにも家族はあるんやで・・・(ここら辺の極端な感じ、何となく『マトリックス』っぽい。)
 ・狭い通路での横スクロールバトルは『オールド・ボーイ』をかなり意識してましたね。
 ・そもそものテーマと、かなり親切な伏線描写があるのでオチは早い時点で分かっちゃうのだけど、(それ自体は全然OKですが)ネタを割った時点で手早く切り上げるべきではなかったか?ごく微妙な冗長さのせいでインパクトが損なわれていた印象でした。
 ・臓器工場のシーンでラウンジ風の「デサフィナード」(だったっけ?)が流れていてあれっ?となるのだけど、「南米への憧れ」が「世界」に流入しているという訳で、ここも結末への伏線なんですよね。このシーンは手放しで巧いと思いました。
☆☆☆
※「シュレーディンガーの猫」で重要なのは毒ガスのスイッチなんだけど・・・、「座して死を待つより、それでも足掻くこと」って、そもそも寓話じゃないんじゃけど・・・