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祝福(長嶋有)

 この短篇集に関していえば、いわゆる長嶋有的手法が限界に来ているのかな、という印象でした。大雑把に言えば、普通だったら時間の経過に耐えられないような固有名詞を敢えて使用し、「あるあるネタ」で読者を共感させ、その搦め手から普遍的な感情に着地させる、というやり方。
 そういうフォーマットは概ね共通ながら、今までの短篇、長編を連想させる作者のショーケース的なつくりになっていたのも「手癖で書いている」という印象を強めていたかもしれません。実際、過去作品と共通する登場人物がいたり、『パラレル』のような露悪的な身も蓋もなさで押してくる「祝福」であったり。でも同じような形式をとっていても、『タンノイのエジンバラ』の収録作品には確かにハッとさせられる瞬間があったからなあ・・・
 『ねたあとに』を読んでから改めてその辺りを考えてみたい。
☆☆☆

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