インサイダー(マイケル・マン)

 「タバコは身体に悪いです」という、いってみたら当たり前のことでこんなに大騒ぎできるとは、アメリカは不思議な国ですね、というのが最大の面白ポイントだったような。2時間半を超える長尺をダレずに見せきる力量はさすが、なんだけど、2時間で収めてくれるともっと良いというのが正直なところ。
 ところで「金の切れ目が縁の切れ目」とばかりに家を出て行く内部告発者の妻とか、「会社の利益をあなたたちは大きく損ねている」と通告しに来る放送局の女性顧問弁護士などの描写にいちいちイラッとさせられるのだけど、裏を返せばそういう視線誘導の演出がなされている訳で。顧みるにマイケル・マンは女性の描写が一貫して酷いなあと思ったことでした。
☆☆☆