塔の上のラプンツェル(ネイサン・グレノ/バイロン・ハワード)

 3Dで(第2)黄金期のあの感じをナチュラルに再現していたのが嬉しい。ラセターが陣頭指揮を執るようになって、ピクサーの技術がテクニカルな部分だけじゃなく演出面までフィードバックされているのではないだろうかと感じました。正直にいうとプロット面では無理がある展開もあるのだけど、画と話の勢いで観客が疑問を感じる余地を与えない(あるいは積極的に乗っかろうと思わせる)のはまさしく演出力の賜物でしょう。ただ残念ながら3Dである必然性は今回も感じられませんでした※。画面が暗くなるからやっぱり普通に2Dで観たいんだけどな・・・
 ・フリン渾身の「誘惑者の表情」に爆笑。自分でハードル上げすぎだろ・・・
 ・悪役のゴーテルだけど、ヒロインをあそこまで知的でチャーミングなレディとして育て上げた功績は評価してあげてもよいのでは。
 ・洞窟のシーンの水中の塵のような浮遊物など、自然現象の再現度がすごかった。そしてアニメ的な画作りに馴染んでいる。『美女と野獣』の舞踏シーンでシャンデリアの回り込みに感心してた頃からすると隔世の感がありますね。
 ・ネタバレ→あの人の落下シーンは途中でカットを切り替えるんだろうなと予想してたら、バスーンって最後まで写してたところに時代を感じました。
 ・定番だけどカメレオンが登場人物中一番大人というのが面白かった。
 ・フライパン製造業者協同組合は2月18日のフライパンの日(適当)にベストフライパニストとして顕彰すべき。
☆☆☆☆
※フライング・ランタンのシーンは例外。あそこは上手かったですね。ところで、3D加工って飛び出す層だけじゃなくて、まず引っ込む層があるんですね。手を加えていないレイヤーが相対的に飛び出して見えるという。