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ぼくのエリ(トーマス・アルフレッドソン)

 タニス・リーの『別離』のような「ヴァンパイアと従者もの」にして「こどもクライング・ゲーム」(ネタバレ)でしたね。前者についてはひとつの典型として確立されている観がありますが(しかしオリジナルは何だろう?)、そこに後者の要素というツイストを効かせたところに独創性があります。エリの部屋における「妙にちぐはぐな生活感のなさ」の演出やクライマックスのプールのシーンなど、プロダクションデザインが頑張っていたのも印象深い。
 一見ハッピーエンドではありますが、寄る辺なさを持ち寄って、なお埋め難い二人の根本的な人生観の相違が映画の後味を苦くしています。美しいのだけど荒涼としたスウェーデンのロケーションが物語に良く合っていました。
☆☆☆1/2
※1 これまでも、そしてこれからも繰り返されるであろう「従者」の継承の物語と父親の同性愛という設定が、一筋縄ではいかないこの作品独特のテイストを生んでいて好きだったのだけど、原作はもっと陳腐だったらしい。のだけど、脚色も原作者なのでこれはナイスアレンジといって差し支えないのでは。
※2 リメイクはクロエちゃんがエリ役ということで話題ですが、個人的にはオスカー役の方が肝のような気がしました。この映画の成功は彼の要素が大きいような。