シフト

 もう結構前になるけれど、仲間内でフットサルのチームを作ってたことがあって、その目的は週末に適当な運動が(ハード過ぎない程度に)できるから、というものでした。サッカーと違って入れ替わりが自由だし、ボディコンタクトも激しくないから女の子も割りと気軽に参加できるというのも良かった。
 ところが、ある時からサッカー経験者がたくさん入ってきて、モチベーションを上げるためにリーグに登録しようということになり、経験者の生理として自ずと「勝つためのハードな練習」を志向するようになりました。しかもリーグはウィークデイに多いときは2試合。仕事が忙しくなってきたこともあり、僕を含む創設メンバーはひとり抜け二人抜け、最後は誰もいなくなりチーム名だけが残った、というのがその顛末。
 なぜそんなことを思い出したかというと『ソーシャル・ネットワーク』を観たからで。個人的にはどうしてもエドゥアルドに肩入れしてしまいたくなる、というかあの気持ちはよく分かる。彼は(実際はどうあれ、映画に関して言えば)お金が欲しかったんじゃなくて、信義を問いたかったのだと思うんですよね。ただその一方で、マークの方の「グズグズしてないで、なんでこの流れに乗っからないの?」とイライラする気持ちもよくわかる。つまりもう仲良しグループの遊びの延長というステージにはないってことなんだけど、ショーンという第三者が入ってきたことで人間関係のバランスが決定的に変わってしまった。エドゥアルドも状況は半ば分かっているのに、そのせいで素直に事実を飲み下すことができない・・・
 規模の違いはあるかもしれないけれど(というか違いすぎだけど)、どういう組織であれ時の経過とともに性格が変質するというのは避けられないことなんだと思います。考えてみたら広い意味で「学生運動」を扱った作品のテーマもそんな感じのものが多いですよね。押井監督はどう観たんだろう。