ペテン師とサギ師 だまされてリビエラ(フランク・オズ)

 スティーヴ・マーティンは好きなコメディアンだし、監督と組んだ『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』も大好きなんだけど、まだこの映画は観ていませんでした。女性相手の詐欺を働くサギ師同士の小競り合いをめぐるコメディ。
 「ベテランに対して勝負を挑むルーキー」というのは映画でも好んで描かれる物語ですが、顧みると、オズ作品では同様の構図の『スコア』はこの作品の変奏だったような(こちらはちょっとトウが立ってるけど)。さらにそういう視点で見ると、スティーヴ・マーティン演じる「弟」ノートンのあの演技は「俺、腕あるよ!」という同じ性質のような・・・とりわけ映画におけるこういう物語の見所は、演じる役者の「ステージ」がそのまま役柄に二重写しになるところかもしれません。
 それはさておき、安心して観られる小品。マイケル・ケインのフィルモグラフィ上はやや迷走期に当たると思われますが、さすがの貫禄でした。ただ個人的に惜しいと思ったのは、飛行場のシーンでスパッと終わればコン・ゲームものとして美しかったものを、蛇足としかいいようがないエピソードを加えてしまったのが・・・
☆☆☆1/2