ジャッキー・ブラウン(クエンティン・タランティーノ)

 いかにもエルモア・レナード原作らしいストーリー。ですが、意外や観終わった印象としてはあっけらかんとした感じよりもウエットさが先立っていたような。(タイトルロール演じるパム・グリアの苦さを噛み締めるようなアップで締める結末が素晴らしかった。)レナード作品は割と誰が撮っても、どんな非道い展開が途中であっても、何故かほのぼのしたエンディングになるものだけど。マックスの「30分後にかけ直してくれ」というセリフが心にしみる。
 いつものお遊びや技巧も控えめだし、フィルモグラフィー上はもっとも端正な作品ではないでしょうか。とはいえ間違いなく監督作らしいテイストではあり。タランティーノらしさとは何ぞや?ということを考えさせられる映画でした。
☆☆☆1/2