たのしい写真―よい子のための写真教室(ホンマタカシ)

たのしい写真―よい子のための写真教室
 この本に限らず、ホンマタカシの啓蒙熱は本物だと思う。しかも「その道の達人」は必ずしも「よき教師」に非ずということを考えると、貴重な存在です。さてこの本では、平易な言葉で写真の歴史から技術まで丁寧に教えてくれます(かなりざっくりだけど・・・)。
 ところで、映画的な意味での格好よい、気持ちのいい画、レイアウトというのは、必ずしも「写真」としても素晴らしいとされるわけではなくて、ともすればポストカード的な陳腐なものとされてしまいますよね。これは作家それぞれの方法論や狙いによって様々なので全部がそうであるともいえないけれど(例えばステージド・フォト系の写真家の作品はずばり映画の方法論を持ち込んでいる訳だし、シンディ・シャーマンなんかは映画そのものを撮ってるし)、では写真プロパーの世界での「よい写真」というものがどういう画を指すのか、ずっと自分の中で腑に落ちないままだったのです。それで何かしらヒントをもらえないかと思ったのですが・・・
 結論をいうと、うーん、よく分からなかった(そもそも本の趣旨に対して的外れだったかも)。感覚を鍛えるにはやっぱりたくさん見るしかないんだろうな。
☆☆☆1/2