ザ・バンク 堕ちた巨像(トム・ティクヴァ)

 サブタイトルは「クライヴ・オーウェン建もの探訪」だったのだと思う。
 柱を貫通した弾丸のふたつの軌道跡を覗いて「狙撃手は二人いたんだ!」というような画でみせるシャープな演出はなかなか格好よかったです。
 のだけど、物語を真面目に追っていくと、それはいかがなものかというグダグダな結末で肩透かし。けれども、ポリティカル・サスペンスという「気分の醸成」に力点を置いた、ビジュアル重視の作品だったのだと考えれば結構成功していたような。何よりヨーロッパ津々浦々の建物が美しく撮られていたのが良かった。まあ話だけを観に映画館に足を運んでいる訳ではないのでね。
☆☆☆1/2
※一番の売りと思われるグッゲンハイムNY銃撃戦はセットだったそうで。