ダンテ01(マルク・キャロ)

 大仰で思わせぶりなナレーション、歴史上の人物や神話の登場人物の名前を持つキャラクター、閉鎖空間のサバイバル、という要素を挙げたらどこの自主制作映画かって話ですが、ちょっとこれは・・・ないんじゃないの?
 監督の名前を見てこの作品を手に取った人は、おそらく「『アメリ』や『ロング・エンゲージメント』もよかったんだけど、『ロスト・チルドレン』や『デリカテッセン』の毒々しくも魅惑的な世界観はやっぱり捨てがたい・・・とするとキャロの監督作品ならあれがもう一回観られるのでは?」と期待したと思うんですよね。ところが肩透かしもいいところだったという。話は陳腐でもそれを覆すだけの画をみせてくれたらそれなりに満足したと思うのだけど、結果からするとやっぱりジュネありきの人だったのかなぁ。それともピトフと組まないと駄目だったのか?『ヴィドック』すら結構面白かったことを考え合わせると余計寂しい気持ちになるよ・・・
☆☆