ウォーリー(アンドリュー・スタントン)

 ゴキブリのやつがいい芝居しやがんのな。
 それにしてもデートムービー、家族向け、そしてもちろんSFファンと全方位レンジの対応ぶりにピクサーの凄みを感じて感服することしきり。ベタな話を丁寧に行き届いたエピソードで組み上げていくスキルは他社の追随を許さない。画づくりだけじゃないんですよね。(その点『カンフー・パンダ』は物語上の粗が目に付いたんだよなあ・・・。)
 ところで実写取り込みというチャレンジをしているのだけど、プロダクションデザインがリアル指向(特に前半)なこともあって、しかもなまじ技術が向上しているだけに、スター・ウォーズ新三部作的な意味でしらけそうな危うさをはらんでいた。(それはそれとして、オープニングの崩壊後の地球のイメージには興奮させられたけど。)作りこみのレベルが上がるのは、そのまま映画のクオリティが上がるという意味ではないので、それを良く知っているはずのピクサー作品がこれからどのように舵を切るつもりか大変興味深いですね。
 ところで8ビットゲーム愛溢れるエンドロールにはやられた。ステキ。
☆☆☆☆☆