アイアンマン(ジョン・ファヴロー)

 「見てきたようなうそをつく」というのが映画の本分だったら、これほどその肝に忠実な作品もないだろう。だってありものの兵器のパーツから手作りでパワードスーツを組み立ててしまうんだから(家内制手工業の武具製作でこれほど盛り上がるのは『キャプテン・スーパーマーケット』以来かもしれない)。考えると他にも物語上アラは多いんだけど、手練手管が巧みで最後まで気にならない。特にアイアンマン初号機装着シーンの高揚感ときたら!
 傑作は細部に宿るということは結構繰り返し感想で書いてきたのだけど、何気ないドアの開閉にもカードキーのセキュリティチェックがあったり、音波を利用した人体麻痺装置の使用者が耳栓をしたり、というディテールに抜かりがない(かつこれ見よがしでない)。また道楽三昧の描写にリアリティがあって、セレブライフが頭で考えた感じじゃなくて身についてるというか、そういう部分にハリウッドの底力を感じます。つまるところ、脚本だけでなく、プロダクションデザイン(ひみつ基地!)、衣装といったところを含めて、それぞれの部門の歯車がぴったり噛み合っていたというか。これは意図してもなかなかできるものではないので、2作目には期待するところも大きいけれど、失望させないでほしいという不安が早くもあります。
 それにしてもジョン・ファヴローがこんなにできる子だったとは・・・『スウィンガーズ』の頃は場末のモデルに声をかけるのもドキドキしてたのに、って役柄と本人を混同しちゃいけないけど。男性スタッフその1でやっぱり出演しちゃってたのは愛嬌ということで。クライマックスがハルクとアボミネーションの対決とあまり変わらなかったのは愛嬌で・・・いいの? 
 ・グウィネス・パルトローが久しぶりに美人さんに撮られてた。
 ・エンドクレジットのパーツ分解図が相当格好いい。制作はどこの会社かな。※
 ・行政機関の管理職があんなコスプレのオッサンだったらいやだ。
☆☆☆☆☆
※Prologue Filmsという会社でした。『俺たちフィギュアスケーター』や『ゴジラ:ファイナルウォーズ』(!)もここ。カイル・クーパーの新会社だったのか。