ブラッド・ダイヤモンド(エドワード・ズウィック)

 いきなり大きいこというと、人間は本能的に「地獄巡り」の物語を娯楽として欲する生き物なのではないでしょうか。創作の分野(小説、映画、漫画)を問わず、ジャンルを問わず、古典では『神曲』しかり(読んだことないけど、大きいこといったついでに)、映画でいえば『太陽の帝国』(これも元々はJ・G・バラード原作な訳で)、『プライベート・ライアン』、ごく最近では『トゥモロー・ワールド』などが典型的なそれでした。
 と、くだくだしく書いてしまったのは、「内戦もの」を娯楽として消費してしまうことへのエクスキューズなんですが。不謹慎だと自戒しつつ、でもそういう側面は否定できないなと。そういう視点からこの作品を見てみると、生と死の狭間を紙一重で潜り抜ける「クリフハンガー」としての語り口はなかなか巧みです。
 さて残念だったのは、結末部分があまりに蛇足だったこと。ディカプリオのセリフでスパッと終幕にすれば4点だったのですが・・・
☆☆☆1/2