プラネット・テラー(ロバート・ロドリゲス)

 『デス・プルーフ』が自分の欲求に忠実であることを徹底した末に「ある種の洗練」を達成していたのに対し、好きなことをやり散らかした挙句散漫になってしまった、悪く言えば「意欲的な失敗作」であったように感じた。徹底して下品だから引いた、なんてことじゃなくて、要素が結末に向かって収束しないのでグルーヴを生み出すに至らなかったというか・・・
 『レジェンド・オブ・メキシコ』〜『シン・シティ』でみせた暴力の果ての詩情に惹かれていた僕としては、まあこの映画に期待するのはお門違いなんだけど、それが何か残念。スローナイフならぬスロー注射(太股ホルスター!)とか、「その名を知らぬ者なきエル・レイ」とか魅力的な設定・ガジェットはてんこ盛りなんだけどね。期待しすぎたかも。
☆☆☆