ネットとすりこみ

 先日『パラダイス・ナウ』を観て、自分の不明を反省し、その後onweb.to←この記事を読んで、確かに『ミュンヘン』はいささかアンフェアだったかもと思い始めていたのだけれど、今度また『ミュンヘン』を見直してみると、記事でいわれているほど極端に不公平でもなかった。(このことは、現代社会におけるパレスチナの人々の置かれた立場が適当であるか否かという問題とは切り離して考えてください。)
 例えば、確かに亡くなった9人の選手がドイツの狙撃手に撃たれたことは劇中明言されていなかったけれど、「黒い九月」に直接殺された風にもまた描かれてはいなかった。一度観ていた僕ですら「そうだったかも」とバイアスのかかった記憶を上書きされそうになったのだから、ネットの記事を読んだだけで「知った気」になるのは本当に危険なことですね。何事も実際に見てみないと分からないものです。