実に残念な出来。もう一度両シリーズを全部見て出直して来いと言いたい。
まず一番いただけなかったのは、犠牲者の選択。妊婦や赤ん坊といった無力な存在を手にかけるのは見ていて不愉快だった（「人死に」はいくら出ても構わないんだけど）。スクリームのシリーズで語られていた「犠牲者の条件」とは故なきことではなくて、人がたくさん殺されてなお娯楽作品として成立するというのはどういうことか、に製作者が無自覚なんだと思います。
それと「掃除屋」の位置づけで登場するプレデターの段取りの悪さ。緊急時に事態を収拾するのが仕事ならそれらしくしてほしい。終始「ちょっとその装備一式貸してみろ！」という気分で観てた。可及的速やかに証拠物件を始末しなきゃいけない時に、わざわざ死体の生皮剥いで逆さ吊りなんかしてる場合じゃないだろう。
とにかく一事が万事という感じ。だから全体についていえることだけど、「死体の生皮剥ぎ」みたいなシリーズ上のお約束のあれこれが「とにかく出しとけばいいんだろ」という安直な扱いで、物語に有機的に絡んでこない上むしろその都度話の進行を阻害するもんだから、いっそ出さないでいてくれた方が。
クリーナーがバシバシ片っ端から事態を解決していく（含コラテラルダメージ）という展開の「人知を超えた存在が、さながら台風のように全てを巻き込んで」というディザスタームービーとしてのＡＶＰを夢想せずにいられない・・・
☆☆
