パフューム−ある人殺しの物語−(トム・ティクヴァ)

 世界幻想文学大賞受賞作『香水』の映画化。堂々たる大作で、『ラン・ローラ・ラン』を見たときは面白かったけれど「またタランティーノ・フォロワーか」というイメージしかなかった監督だったので、そこが一番の驚きだった(『ヘヴン』は未見)。
 まずもって画でみせる物語なので映画化は成功だったと思うけれど、(同じ世界幻想文学大賞受賞作ということでは『プレステージ』がそうだったように)小説ならではの一筋縄ではいかない部分を端折っているんだろうなという印象もあり。改めて原作に当たってみたくなりました。
 ところでジャンルを問わず、僕は修行シーンが大好物なので、生まれ付いての嗅覚の才能を見せつけるところから調香の技術を習得する一連の場面が最高だった。ああいうのって理屈を超えて盛り上がりますね。
☆☆☆1/2