プラダを着た悪魔(デビッド・フランケル)

 彼氏役のエイドリアン・グレニアーが山田孝之に見えて仕方がなかった。
 『マイ・フェア・レディ』『プリティ・ウーマン』の系譜に連なる、外見が洗練されるとともに本人自身が磨き上げられるという話。外見の洗練=内面の向上という話は男が主人公の作品ではあまり見かけないので(山田孝之つながりでいえば『電車男』がそうか・・・)フェミニズムの観点からはいろいろ語られそうだけど、オシャレになる話というのは単純に盛り上がりますな。(大雑把に言い切ってみたけれど、もちろんそれだけの話ではないです。)
 現実的な視点でみると、先輩社員エミリーがヒールに描かれすぎてる(職場でグチやプライベート話をされたりあんなに大げさに取り乱されたら、普通ちょっと腹が立つよ、そりゃあ)。仕事上の決断でシビアさを求められた時「そんなことできません」っていうのはいい子すぎる。そのくせパリの会期途中でブッちぎったり・・・社会人ならせめて帰国後まで待てないのか。
 しかしそういったもろもろも、娯楽作品としてみれば正解な描写なので、これはよくできた作品だなと観てるあいだはひたすら楽しかったのだけど。
☆☆☆☆