ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(庵野秀明)

 大人になってから中学・高校の世界に触れたとき、当事者として居た時には気付かなかったいびつさに気付いてギョッとすることがあるけれど、そんな感じでした。
 というのも、何も分かってない14歳の少年を連れてきて、いきなりあんな大きな仕事を担わせるというのは過酷すぎるだろうと。しかも大人が誰も適切な言葉を掛けてくれないし、ケアをしてくれない(なぜなら大人たちも内面が子供すぎるから)。大人ならどんな無茶な仕事を要求されても、まあ仕事というのは本質的に理不尽なものだから・・・という諦念と供に無理やり飲み下すのだろうけれど、子供にはやっぱり酷だぜ・・・
 と、初めてTVで見たときは大学生だった私も今では30代も半ばに差し掛かり、そのくせ相変わらずシンクロ率120%で鑑賞したわけですが、初見ではあまり気にならなかった状況のハードさが今回はやけに気になって。当時はシンジ君目線だったけど、今回はミサト目線に近いだろうか。
 ともあれ、クライマックスである新たに書き起こされた「ヤシマ作戦」はすごく盛り上がったし、今回の映画化は割とストレートなエンターテインメイント作品になりそうな雰囲気もあるので、最後まで観てみたいと思います。予告を見るとかなり今後の物語自体をさわっている模様。楽しみであります。
☆☆☆1/2
 ※ミサトの部屋の散乱した雑誌の中に『働きマン』の「JIDAI」が混じってましたね。