マルドゥック・スクランブル(冲方 丁)

 想像していた以上にちょっと子供っぽかった(特に1巻あたり)。ただ噂のカジノシーンはさすがに読ませる。(007の『カジノ・ロワイヤル』もこれぐらい緻密な駆け引きの描写だったらよかったのにね、と思ったことでしたよ。)SFというより、なんとなく夢枕獏の伝奇ものを連想した。「うっそりと」という言葉が気に入ったら何度も使う、みたいなところも。考えてみたら敵役ボイルドの造型も夢枕獏が好みそうな「不器用な男」ですね。
☆☆☆