スーパーマン リターンズ(ブライアン・シンガー)

 『スーパーマン』のテーマって、鼻歌を歌ってるといつの間にか『スター・ウォーズ』のテーマになるね。

 という訳で、ジョン・ウィリアムス作曲による懐かしの『スーパーマン』のテーマで始まるこの作品、テーマ曲のとおりの明朗快活路線かと思いきや、人情ドラマに変に引っ張られてた・・・
 ヒロインのロイスに既に息子が!とか、彼女による「スーパーマン不要論」がピューリッツァー賞に!などの要素があるのだけど、それらが物語を有機的に構成していないから全然ピンとこない。(だから『Mr.インクレディブル』の脚本が如何によく練られていたか、ということに思い至る。同じような問題意識−−まあコミックスの『ウォッチメン』が元ネタとはいえるけれど−−から始まってるはずなのに・・・)いっそシンプルな活劇にしてくれたら、それで1時間45分くらいだったなら、と「もしも・・・」が頭をよぎりっぱなし。枝葉のせいで2時間半って長すぎるよ。
 それと編集の技量によるものか、アクションパートとドラマパートの配分のさじ加減を誤ったのか、全体として映画のリズムがギクシャクしていて結末へのテンションが一向に上がってこなかった。CGは割りと頑張ってただけに残念。

 ともあれ評価が辛めになる一番の理由は、ロイスの事実上の旦那さんの「噛ませ犬」ぶりが余りに痛々しかったから。ああいう話にする必要あったのかな?
☆☆1/2