パイレーツ・オブ・カリビアン<デッドマンズ・チェスト>

ゴア・ヴァービンスキー
 「予告編だけが良かった夏の大作」のパターンど真ん中だったよ・・・
 登場人物の行動原理がよく分からない。だから素直に話に乗っかれない。ジャックのねずみ男ぶりは前作以上。そのせいで主人公カップルはお人好し過ぎる印象なのですね。なんだか島本和彦の『炎の転校生』(だったかな?)に出てきた「普段親切な人が親切をしてもそれほど感謝されないが、不良が親切をするとえらい褒められる」理論を思い出してしまった。 
 物語そのものにも問題があって、場あたり的展開、というかたくさんいる脚本家の思いついたそれぞれのシーンをかっちり統合することをメインの脚本家が放棄してるような。バタバタとアクションシーンを見せられてたら次の場面へ、という印象。監督に腕力があれば観客がそういう事に気を取られる暇もなくグイグイ話を引っ張っていくのだろうけど、演出にキレがないので散漫な印象だった(ヴァービンスキー作品はみんなそんな感じですね)。
 でも最後の「ひき」の部分だけは不覚にもワクワクさせられました。結局最後まで観るのかなぁ・・・
☆☆☆