ランド・オブ・ザ・デッド(ジョージ・A・ロメロ)

 公開された時は、「寓意の要素があからさま過ぎて萎える」といった批判があったようだけど、単純にホラーアクションとして観る分には気にならなかった(まあ終末的世界で貨幣経済が生きてるというのは苦しいけれど・・・)。古きよき時代の王道ジャンル映画といった塩梅ですが、音楽なんかでも最近のJポップよりもニューミュージックといわれてた頃の曲がしっくりくる最近の自分の好みからすると、ほどよく楽しめた。結構よかったですよ。

 やっぱり出てるトム・サビーニみたいなお約束が嬉しい。(しかし特殊メイク担当はKNBエフェクツ・・・どんな心境なんだろう。そこら辺は割り切ってるのかしら?)。ロメロとダリオ・アルジェントの『ドーン・オブ・ザ・デッド(オリジナル版)』を巡るあれこれを思うと、アーシアの出演も味わい深い。
 役者でいえば主役のサイモン・ベーカーのことは今回初めて名前を知ったけれど、なかなか「ボーイスカウト」ぶりが格好よかった(最初の1時間、ショーン・ビーンだと思ってたのは内緒)。対するJ・レグイザモのチンピラぶりがこれまた光っててね。よく考えたら悪の親玉のデニス・ホッパーとは『マリオ』以来の顔合わせ?ともあれ、ベタな話も徹底するとすがすがしい、という感想です。
☆☆☆1/2