CASSHERN(紀里谷和明)

 安普請を覆い隠すようなエフェクトが鬱陶しい。カキワリじみたCGセットが薄っぺらく貧乏くさい。青臭い主張が空回りで物語がドライブできてない。という評判はまったくそのとおりだった。

 でも映画としての質云々をひとまず置くならば、観終わったあとになんともいえない気分が残ったことも確か。少なくとも何かしらの力がある作品だった、とはいえるのではないかと思う。(いまもドヨーンとした感じが抜けない。)「出口のないディストピア」という閉塞感の醸成は上手くいっていた感じ。

 それと唐沢寿明がひとり気を吐いていた。あの「ブライ」の存在で作品は随分助けられていると思う。及川光博はタイプキャスティングなのは分かるけど、それならそれでエロキューションをちゃんと鍛えた方がいいのでは。

 ところでタイプキャスティングって和製英語なんでしょうか?

☆☆☆