ワンピース「オマツリ男爵と秘密の島」(細田守)

 ハウルの敵討ちのような快作。でも噂どおり、ターゲットを考えるとワザとのような嫌がらせに近いダークぶり。そこもよし。

 デジモンの1作目(それとパイロット版)でも感じられた卓越したビジュアルセンスは健在で、アニメ映画を観る醍醐味にあふれている。それと映画ではキャラデザインが思い切りTV版から変えられていて、こちらのほうが好みだったのも個人的にはポイントが高かった。銀河鉄道999並?(でも考えてみるとジャンプ連載の現在の絵柄にはこの映画のほうが近いような気も。)

 場所はリゾートアイランドとして宣伝されているオマツリ島、バカンス気分で訪れた麦わら海賊団は無理やりゲームチックな「地獄の試練」に挑戦させられる。ささいなことから仲間の結束にヒビがはいり、険悪なムードとなる一味。しかしその裏には主催者であるオマツリ男爵の企みがあって・・・
 仲間割れの経緯が説得力として苦しいけれど、チームの結束と対する孤独がメインの話なので仕方ないかな?次回作は(ワンピースでなくてもいいけど)もうちょっと脚本を練ってほしいところ。

 ところで要となる存在の幻の花「リリー・カーネーション」ってリインカーネーションってことだったのね。

☆☆☆☆1/2