スターウォーズ エピソード3(ジョージ・ルーカス)

 やっぱりこれだけの規模の映画で、これだけ長く続いているということには重みがある。個人的には、そもそも小学1年ではじめて劇場で観た映画がエピソード4で(そのときは副題なしだった訳だが)、それが原体験である。まさにブロック・バスター世代。日曜洋画劇場で淀川さんが「ルーカスは9部作つくるいってますね」とコメントしたのを聞いて、当時のガキはたいへん興奮したものだった。それから幾年月、あの頃楽しみにしてたこの新3部作を観ぬまま亡くなった友人もいることを考えると感慨深い。

 さてトータルでの感想でいうと、いくら暗黒面に堕ちたとはいえ、この後実の子供を育ててくれたベイル・オーガナやタトゥィーンの義兄弟を虐殺するとはダース・ベイダーひどい。まあオルデラーンごと木っ端微塵にしたんだからそれどころの騒ぎではないんだけど。
 そう考えたら、あれだけひどいことしてきたのに、改心したらチャラっていう、ジャンプ方式ですな。エピソード6でオビ・ワンとならんで笑ってる場合じゃない。あのときは雰囲気でなんとなく納得して観てたけど。

 ところで記憶をリセットしろというセリフがあったC3POはともかく、R2D2のほうは全ての目撃者だったのに、シレッと知らぬ顔でルークのお供をしてたのかと考えると旧3部作は味わいぶかい。

 新3部作での印象はジェダイ評議会の頑迷さにつきる。新渡戸稲造「武士道」が(ちょっとグリム童話の成立過程に似てるけど)事実に即していない海外向けパンフレットだったのに、現代日本人が武士道とは昔からそういうものだったと信じ込んでいるように、「ジェダイの理念」がひとり歩きしていることにジェダイたち自身が絡めとられてしまっている印象を受けた。その象徴がメイス・ウインドゥ。だから新3部作公開前に言われていたほど格好よいキャラではなかった。

 やっぱり今回オビ・ワン自身「導き方を誤ったのか?」というセリフがあったように、(本心ではなかなか成長したと思っていても)まだまだ未熟だとストレスを与え続けるような指導法はいかがなものかと。ただクワイ・ガンにもそういうところがあったから、ジェダイコーチング・メソッドがそもそもそんなものなのかも知れない。結果あれだけの大惨事になったのだから、やっぱり形骸化してるような伝統や形式にとらわれるのはよくないって話ですね。

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