アザー・ディレクションズ(ニコラ・コンテ)

 ジャンルとしてはクラブ寄りのジャズ、ボサが好きなもので、DJ兼プロデューサーの人が手がけたアルバムは結構好みではないかと聴いてみた。結論から言うと想像してた以上に正統派である。なるほどブルーノートのレーベルから出てるだけのことはある。最近では加工系の音楽よりも、アコースティックなものの方がしっくりくる感じ。まあしかしなんでもそうだけど趣味には波があるので、またバキバキのデスクトップ系が好きになるかもしれないが。

 このCDとどっちを買おうかと迷ったのが、ポート・オブ・ノーツの新譜「イヴニング・グロウ」。本当に「ポート〜」としては久しぶりなので「待ちかねた!」という感じだったのだが・・・なんというかソロ活動を引きずっている印象が拭えない。ソロはソロでよかった(賛否両論あるけど、冨田恵一プロデュースの曲もいい。歌謡曲志向も悪くないと思う。)けれど、だからこそソロとはメリハリを付けてほしかった。あれだけ歌唱力のある人があえて音響系のサウンドで、というところにユニットとしての魅力を感じていたので。個人的には、だから1作目の「コンプレイン・トゥー・マッチ」的なつくりのアルバムをまた出してほしい。しかしちゃんと聴いたらまた印象が変わるかもしれない。